シンガー石井聖子さんを語るコーナー

Salon Concert

▲Salon Concertの案内状。聖子さんに抱かれたルコラが写っています。ルコラになりたい…

9月19日、聖子さんの誕生日イブに「Salon Concert」と題されて行われたライブです。今回の会場は「ガージェリー・ハウス」。1階は誰でも自由に飲食ができるバー、2・3階は会員制(しかも女性限定)のレストランです。

そのガージェリーハウスの会員スペースである3階をライブ会場にしてのSalon Concert、初の会場にどんな場所や雰囲気なのかという楽しみも加わります。

さらに聖子さんが美味しいと太鼓判を押すビールが飲めるということもあって、楽しみは倍率ドン、さらに倍。って感じでしょうか。

当日は第1部と第2部が行われました。第1部は水密桃桃員限定のライブで第2部が一般公開でしたが、私は時間の都合もあり第1部のみに参加しました。

さて、久しぶりに東京へ出てきた私ですが、ライブ前にどんな挙動不審の隠密行動をとってきたかは別のコーナーに書いてみました(お暇でしたらお読み下さい。別に面白くも何ともありませんが…)

今回、私が参加する第1部は定員35名とのことです。いつもライブを行っていた南青山マンダラは推定ですが100名前後は入っていたことでしょう。それと比すると約3分の1でこれまで見てきたライブの中で最も人数の少ないライブとなります。

それだけ密なライブになるんだろうなぁ… などと思いながら、まだ蒸し暑い東京南青山のガージェリー・ハウスの前で開場時間を待ちます。

数日前から天気が不安定で、前日静岡県内では一時間に50mmを超える激しい雨を観測しました。当日もその影響があるのではないかと心配していましたが、遠路はるばる遠方からの筋金入り石井聖子ファンも無事到着しました。

開場時間が過ぎます。会計を済ませて3階へ上がり会場へ。お、こじんまりとした広さ。学校の教室よりも小さいです。客席は中心部にソファー、その周りは椅子席です。

薄暗い中に所々キャンドルが置いてあります。柔らかい独特の光を放ち雰囲気を醸し出しています。

そして今日の1ドリンクの時間がやってまいりました。パチパチパチ。今日はあの聖子姫が美味しいと太鼓判を押す、ガージェリー・ハウスのビール、又は、桃のお茶。

なぜ私がライブ前に挙動不審の隠密行動をとったのか、その第2の理由はやはり、聖子姫お勧めのビールを美味しく飲むためであります!

運動後の少々疲れた体に渇いたノド。考えただけでビールが飲みたくなりませんか?

私、向精神薬を服用してまして、服用中にアルコールを飲むと薬が効き過ぎるので控えるようにと医師からの忠告。

しなきゃいいのに人体実験を行った結果、確かに薬がききすぎてちょっと飲んだだけなのに、二日酔いとインフルエンザが一緒に来た感じでクラクラしました(1年前の話)。

ところが、9月上旬にキャンプへ行った際、激しい雷雨に見まわれたのです。ペ・ヨンジュンの次に嫌いなもの、雷。そんな中でのキャンプ。恐怖に耐えるのも限界、ビールを飲まずにはいられません。あぁ、なんて意志の弱い私…

しかし、一年前と比べて抗体ができたのか、缶ビール一本飲んでも服用前の通常体だった時と同じ様な酔い方。これなら大丈夫!(素人判断は大変危険です)

ということで、迷わずガージェリー・ハウスのビール、スタウトというビールを注文。土台を隠されたらどこに置いたらいいのか悩んでしまうしゃれたグラスに注がれてやってきました。撮影しておけばよかったですが、ガージェリーハウスのサイトに出ています。

黒ビールの様な色をしています。さっそく渇いたノドを潤すべく飲んでみます。お、これは酒豪石井聖子が薦めるだけあって確かにおいしい! ちょっと甘みがあって、口当たり喉ごしが非常に柔らかいですねぇ。

いつもならグイグイっと飲んでしまいますが、貧乏根性丸出しでチョビチョビ味わいます。ライブで石井聖子の歌声を聞くまでにはいつもこうした恒例ワンドリンクのお時間があるのです。

前置きが非常に長くなりました。そんなワンドリンクを味わっていると、ギタリストの石崎光くんがステージに現れました。ギターのチューニングを始めます。

チューニングの音が鳴り止むと、入口から桃人の聖子さんが姿を見せます。衣装はインビテーションカードに映っているものと似てオレンジ色を纏っています。

拍手が鳴り止むと会場内の空気は一変し、息を潜めるようなピンと緊張感のある空気に変わります。全員がステージに注目です。

♪ 月夜に赤く 染まる花では あなたの前でほころべない 冷たい雨に 全て流して あなたの愛で かわいて〜

本日の1曲目は月桃です。アカペラでサビを歌い、その後、ギターの伴奏が入ります。穏やかにしっとりと始りました。いつものように変わらぬ艶のある声に石崎光くんのコーラスも決まりました。

聖子さんのデビュー当時からの“相棒”だった石崎光くん。以前のライブでは掛け合い漫才の様なトークも聞けたのですが、今日は口数も一言二言と少なくおとなしめです。

月の桃のあとは月に因んでMoon River。映画「ティファニーで朝食を」の主題歌(歌:Andy Williams)ですね。

フランクシナトラも歌ってますが、イメージとしては満月に近い月が赤く不気味な色で上ってくる場面を連想してしまいます。

ですが聖子さんの歌うMoon Riverはとても繊細で、ほっそりときれいに夜空を照らす三日月のような情景が頭に浮かびました。英語の発音もきれいです。そういえば今日の月齢はどのくらいなのだろう。

そのまま続けて3曲目は一枚目のアルバム「Angelophany」に収められている曲からGift。初めて曲に詞をつけた作品で思い入れの深かった曲と語っていました。なんだか久しぶりに聞いたような気がするのですが、切ない詞が心にグッときます。

4曲目は鱗粉。平成15年にリリースされたアルバム「紫苑」に収められていますが、それまでも未発表曲ながらライブでよく歌われ、私は平成12年に何人かのアーチストと合同で行われた渋谷DeSeOでのライブで初めて耳にしました。

アルバムに収められているのは、鬼武みゆきさんの編曲でピアノとヴァイオリンを中心にしっとり調でまとめられており、それまでライブで耳にされてきた方は随分と違った印象を受けたのではないかと思います。

聖子さんの曲の中でも鱗粉ほどその時々で受ける印象が違う曲というのも珍しいと思うのですが、久しぶりにギター1本での鱗粉はとても懐かしい印象を受けました。

オフィシャルサイトの掲示板にヤタガエル氏が書込んだメッセージを、当日の朝に見て、急遽演奏することにしたそうです。やはりファン想いな聖子さんです。

ここで、開演前から外ではしゃいでいたお二人が会場に招かれます。ピアニストの鬼武みゆきさん、そして、「お母様、出番ですよ」と坂本スミ子さんご登場です。

今年のNHKラジオに出演した際にもアナウンサーが触れてましたが、聖子さんはスミ子さんを「お母様」と呼んでらっしゃいます。

最初その事を聞いた時には「さすが石井家、育ちが違うぜ」と思ったのですが、実際に聖子さんが呼んでいるところを聞いてみると、特別違和感も何も感じませんでした。不思議ですね。

私が母に向かって「お母様」なんて言ったら卒倒して息を引き取るでしょう。

ご挨拶代わりにということで夢であいましょうを聖子さんとスミ子さんデュエットで。水の様な音楽と火の様な音楽の共演が始まりました。演奏は鬼武さんのみです。

水と火、聖子さんが清流の様な透き通った声に対し、お母様は燃え盛る炎の様な歌声。全く正反対の特徴をもった親子の共演、ともすればぶつかり合ってしまうもののようですが、見事に一体となり美しい音を作り出します。

親と子の美しいハーモニーに会場もうっとりです。

聖子さんは9月9日、坂本九音楽祭に出演しました。てっきり坂本スミ子さんに出演依頼があるのかと思っていたそうですが、「歌い継がれる」という意味で、娘の聖子さんに出演依頼が来たそうです。

当日、南こうせつさんから、すばらしい!と絶賛されたそうです。さすが石井聖子、大舞台でも堂々と実力を発揮してきたようです。

ここで聖子さんは一歩下がり、坂本スミ子さんが2曲ほど歌われました。

すごい声量です。会場の壁が吹っ飛ぶんじゃないかと思うほどの熱唱。空気が揺れます。

数年前、陸上自衛隊の富士総合火力演習を見に行きましたが、戦車やヘリコプターが弾をぶっ放した時に感じる空気の揺れ、風圧そして大音量に驚きましたが、それに似た空気の揺れを感じました。

火の様な音楽をこの日ついに通り越しました。戦車の様な音楽です(失礼!)。母親強し…

お母様が2曲歌い終わったところで聖子さんが再び登場。ここで映画の撮影の話に。

小栗康平監督の映画「埋もれ木」にストリートミュージシャンという設定で出演の聖子さんと鬼武さん。小さく写っているかどうかというほどだそうですが、歌は流れるそうです。

しかし、別に鬼武さんはエキストラとしても出演し、なんと主人公の真後ろに姿を現わして、バッチリ映っているそうです。

その映画の中でストリートミュージシャンの聖子さん達が歌う曲ですが、鬼武さんが作曲し、聖子さんが作詞…のはずだったのが…

「ことごとく却下され」、監督が詞を書かれたようです。しかし、そのタイトルがうかつでした

植木等とクレイジーキャッツあたりが演奏しそうな曲名ですが(俺も古いね)、この「うかつでした」を見事なアレンジで以って素敵なバラードに仕上げたのも鬼武さんです。相当な難産だったのではないかと想像します。

歌い終わって「ね、イメージと全然違うでしょ」と聖子さんが言う通り、しっとりとした大人のバラードに仕上がっています。ひょっとするとこの曲をライブで披露するのは今回だけになるかもしれない、ということで、貴重な1曲を耳にすることができました。

続いてやはり映画ということで、坂本スミ子さんが出演した映画「楢山節考」のエンディング曲、親を眠らす子守唄を聖子さんとスミ子さんが一緒に歌います。

親を眠らす子守唄 … 曲名からして寂しさが漂いますよね。薄暗い部屋に老いて衰弱した親、そして、側で見守る子。そんな画が頭にうかんだのですが、本当に悲しさが漂って、胸にグッとくるものがありました。

そしてそんな物悲しさをちょっと含んだ曲を次に歌ってくれました。童謡の赤とんぼです。

童謡は戦時中に作られたものが多いのは皆さん御存知だと思います。この赤とんぼで歌われている赤とんぼ、実はゼロ戦の事と聞いたことがありますが、本当なのでしょうか。

実際どうかはわかりませんがそんな時代背景に作れた曲であるだけに、ちょっと悲しさが漂いますね。それを聖子さんは見事に表現します。2番は英語で歌ってました。

そして結ンデ開イテへと続きます。昨年(平成15年)発売されたアルバムに収められていますが編曲がピアニストの鈴木和郎さんです。

鈴木和郎さんとは10月下旬にユニットを組んでライブを行いますが、坂本スミ子さんと一緒にやっていたピアニストの方のお弟子さんが、鈴木和郎さんだそうです。

それとは関係なく、偶然に聖子さんと鈴木さんが一緒に仕事をすることになったようですが、縁というのは不思議なものです。「縁やな〜」とスミ子さんもおっしゃってましたが、縁ですね、ほんと。

そしてちょっと懐かしい曲、会いたくて…。この歌は聖子さんが成長していくと共に、鬼武さんのピアノのアレンジもあるのでしょうが、 段々大人っぽくなっていくような感じがします。

それだけ大人の恋をしたってことっすかね?

この曲を歌っている時、ステージ横で見ていたスミ子さんの表情がとても印象に残っているのです。ステージ上では、歌手、坂本スミ子の顔なのですが、この時は母、坂本スミ子の顔でした。

この歌は聖子さんが歌うと簡単そうに聞こえますが実は難易度の高い曲。以前、スミ子さんがこの曲は難しいとおっしゃっていたように思いますが、少し心配そうに聖子さんを見守るような表情をしていらっしゃったのが印象的でした(私にはそう見えましたが本当は違うかもしれません)。

でも、聖子さんはいとも簡単に歌ってしまうのです。

続いての曲はANNIVERSARY。ここまで鬼武さんのピアノだけで歌ってきましたが、ここからはお客さんと化していた石崎光くんが戻ってきます。

この曲がきっかけで石井聖子を知ったという方が多いかと思います。私もその一人ですが、誕生日でありデビュー日でありそして水密桃発足日という記念日、やはりこの曲は欠かせませんよね。

ANNIVERSARYはライブでよく歌われますが、ANNIVERSARYの石崎光ギター一本というのはかなり久しぶりな気がします。ひょっとすると、平成12年の誕生日ライブ以来かもしれません。

この曲を聞くと何年経っても九段下へ歩いて行きたくなります。何年経っても手をつなぐ相手はいませんけどねーだ。おだまり。

そして最後の曲は私も大好きな曲、DOORです。は〜、やっぱいいなあ、石井聖子の本領が発揮されるというか、スケールが大きいバラードですから、大好きです。

この曲だけピアノ&ギターの演奏でした。シンプルな構成ですが大きいスケール感のある曲に仕上がるのは、やはり、それだけ聖子さんの歌唱力が優れているということでしょう。

実にゆったりと、のびのびと、しかも堂々と歌いますが、最後はそっと潮が引いていくように静かに終わっていきます。ちょっと祭りの後の様な寂しさも残しながら、今日のライブは終了です。

月桃で始まりDOORで終わるこの構成、思い出します、H11.11.11の第1回熊本の密会と同じですね。偶然だと思いますけど…

こうして、ライブそのものは終わりましたが、聖子さんとツーショットでの記念撮影という密会ならではのうれしいお楽しみが。カメラマンは根津さんです。

普段ですと会話する時間もあまりないのですが、今日は違います。ソファーに座っての記念撮影、ゆっくりと話をすることもできました。間近に接することができるのは、やっぱりファンとしては非常にうれしいですね。

お、ひょっとしたら、いや、絶対に俺、汗臭かったはずだ。しまった… ま、いいか。いや、よくない。

撮影終了後、握手もして下さいました。多汗症の私の手は汗ばんでいたことと思いますが、聖子さんの手の温もりは、やはり、女性らしい心の温かさまでが伝わってくるかのようでした。

そして、桃員全員で聖子さんを囲んでの集合写真を撮影。帰り際には、聖子さんが手渡しでお土産を渡してくれました。

痛いほど、という表現が適当かどうかはわかりませんが、本当に聖子さんの心からの愛情というのでしょうか、気配り・心配りが伝わってきました。

歌の素晴らしさもさる事ながら、聖子さんの人柄に触れて、こちらの心がホッと穏やかになる素晴らしい時間を過ごすことが出来ました。

これは本当にうれしかったです。“密会”に相応しく本当に密なライブで心の底から楽しめました。

この密会に参加された方なら誰しもが感じたことだと思います。いやー、本当に素晴らしい密会でした。

Salon Concert

  • 日時
  • 平成16(2004)年9月19日(日)[開場]5:00p.m. [開演]5:30p.m.
  • 会場
  • ガージェリー・ハウス
  • サポートメンバー(敬称略)
  • ・鬼武みゆき[ピアノ] ・石崎光[ギター]
  • 演奏曲
  1. 月桃
  2. Moon River
  3. Gift
  4. 鱗粉
  5. 夢であいましょう
  6. あなたと並んで幸せな私(坂本スミ子)
  7. アドロ(坂本スミ子)
  8. うかつでした(*)
  9. 親を眠らす子守唄
  10. 赤とんぼ
  11. 結ンデ開イテ
  12. 会いたくて…
  13. ANNIVERSARY
  14. DOOR

  15. (*)=未発表曲

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